11月25日、劇作家、演出家のふじたあさやさんをお迎えして勉強会を行いました。
テーマは「古典芸能と現代演劇」
講師のふじたあさやさん
18時半から始まり、21時まで休憩なしの2時間半。
ふじたさんが福田善之氏と共作した戯曲「富士山麓」のことからお話は始まりました。
処女作にして大成功を収めるも、リアルな芝居は観客の感情移入を誘うが、それが冷めると同時に忘れられてしまうのではないか、という疑問を感じたこと。その後、舞台の時間はリアルな流れだけではなく、過去と現在とを自在に行き来できると気づいたこと。そういう問題意識を持っている時期に狂言や能に出会ったこと。
お話はどんどん進みます。
「もの語り」の「もの」とは「もの狂おしい」「もの寂しい」と同様、言い表せないなにものかであり、それを表現しようとするのが「物語」であること。そして物語における「もの」は古典芸能の底流にある「御霊信仰」「祭儀性」に関わること。物語ることは追悼、祈りでもあること。
恐山のイタコから太宰府の菅原道真までを語り、いにしえから平成の時代を貫く明晰かつお芝居への愛情に満ち溢れた言説に、観客、いや受講生は魅了されたことでした。
有吉朝子
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