©2019 gekidan-gekisakka all rights reserved.

 劇団劇作家とは

 『劇団劇作家』は、おそらくは世界で初めての劇作家だけで構成された劇団です。日本劇作家協会の戯曲セミナー卒業生を中心に2006年5月に結成されました。

 戯曲は上演を目的に書かれるものですから、その完成は書き上げたときではなく、上演されたときなのだと思います。現在の日本で、劇作家を志望する者が書いた戯曲を上演したいと思う場合、多くが劇団を立ち上げるか戯曲コンクールで賞を獲得するかといったルートを取ることになると思います。

  書いた戯曲にこれまでの演劇にはない新しい実験的な試みがあり、作・演出が同一人物であるか同一の目的意識を持っていなければ上演が不可能だという場合、劇団を立ち上げることは必然です。また多くのコンクールは、これまでの戯曲の概念を打ち破るような斬新な作品か、コンクールの目的に沿った作品が選出されます。けれどもこの両者の狭間、実験、斬新、目的に沿った選出という網から、ストンと闇に落ちてしまう、「実は求められているかもしれない作品」があり、「劇作家という職業に従事できるかもしれない人材」がいる可能性はないでしょうか。また、依頼によって書かれた戯曲の中で何らかの事情で上演されなかった戯曲のなかに、別の場所で上演される機会を待っている作品はないでしょうか。

  それらの戯曲は、もしかしたらどこかの上演団体が探している作品かも知れません。その劇作家の卵たちはいい演出家と俳優に揉まれていけば、光る原石なのかも知れません。多くの劇団、プロデューサー達が新しい書き手、新しい作品を探しているということはよく耳にします。その双方を、出会わせることはできないものでしょうか。

 劇団劇作家はそんな考えから生まれた、劇作家による、劇作家のための、相互研鑽とプレゼンテーションを目的とした劇団です。

​合評会

Joint review

​ワークショップ

Workshop

勉強会

Conference

企画・提案​Presentation

 

合評会

 劇団劇作家では、月に一度、プロットや戯曲を提出し、合評会を行っています。

他者の作品を講評し合うことによって、提出者は作品をブラッシュ・アップすることができ、参加者は、脚本を読み込む力、戯曲を構造的に分析する力、問題点・改良すべき点を論理的に伝える力を養うことができます。提出する作品は、自分が書きたいテーマで自由に書いた作品から、劇団などから依頼を受け、仕事として書いている作品まで様々です。特に仕事で書く作品では、クライアントに提出する前にブラッシュ・アップの機会が得られるので、非常に役立っています。

また、合評会は、合評をする参加者にもメリットがあります。論理的に作品を読み込み話し合う機会を重ねたおかげか、最近、劇団劇作家のメンバーが、演劇大会等の審査員や講師で呼ばれることが多くなりました。

演劇作品に対して、良い点を見つける目を持ち、好みや印象ではなく、具体的、構造的なブラッシュアップ・ポイントを言語化できるようになる合評会のシステムは、劇団員の作品だけではなく、講評する力も育てているかもしれません。

劇団劇作家は、今後も、「他者の創作を尊敬」し、「程のよく明るい嫉妬心をキープ」しながら、切磋琢磨していける、合評会を続けていきます。

合評会の方式は、「リズ・ラーマン方式」を使用しています。

*リズ・ラーマン方式とは

ダンサーであるリズ・ラーマンが、ニューヨーク・シアター・ワークショップでのリーディングにおいて行った方式で、作者や作品を傷つけたり貶めたりすることなしに、作品をブラッシュアップしていくために有効な方式です。劇作家協会の「月いちリーディング」でも使用されている方法で、劇団劇作家では、立ち上げ当初(2006年)からこの方法で合評を行っています。

リズ・ラーマン方式では、4つの段階を踏んで、作品のブラッシュ・アップを行います。

作家(作品の提出者)と参加者(講評する人々)の他に、ファシリテーターが必要です。劇団劇作家では、ファシリテーターはほぼ、代表の篠原が行っています。

【第1段階】ポジティブな感想や意見だけを述べる。

劇団劇作家では、「重箱の隅をつつくように褒めよう!」を合言葉に、いいところをたくさん見つけ合っています。

【第2段階】作家が聞いてみたいことを参加者に質問する

できるだけシンプルで具体的な質問であることが大切。劇団劇作家では、「質問がシンプルにならないときは、作家自身が分かっていないときだから、合評会にかける前によく考えるようにしよう」としていますが、混乱も受け入れて、第4段階で話し合うことにしています。

【第3段階】参加者が作家に聞いてみたいことを質問する

できるだけシンプルで具体的な質問に限ります。劇団劇作家では、最近、この質問のレベルが上がってきていて、合評会中に「おお!」と声が上がることがあります。

【第4段階】フリー・トーク

忌憚のない意見・感想・質問を交わし合いますが、批判的な意見であっても、印象批評にならないように、論理的・具体的であることを大切にしています。劇団劇作家では、「褒めるときは印象や感情でいい(例:「こういうの大好き!」「すっごく素敵!」「とにかく感動した!」「めっちゃ面白かった!」)」が、「批判的な意見は尊敬を込めて、根拠のある論理をもって」としています。

 

勉強会

 劇団劇作家では、定期的に勉強会を行っています。

 勉強会は、劇団の会議で、「今、勉強したいと思っていること」を出し合い、専門の講師の方々をお呼びして行っています。これは、あくまでも、劇団員たちが「勉強したい」と思うことを学ぶ場ですので、基本的には劇団内部だけのものですが、「ミュージカル講座」など、公開講座を行うこともあります。

これまで、次のような勉強会を行いました。 

■2019年

「新派の戯曲に学ぶ」

講師:齋藤雅文 氏

 

「歌舞伎について」

講師:校倉元 氏

 

■2018年

「主題の探求と劇的表現」

講師:矢戸優太郎 氏

 

■2016年 (公開講座)

「ミュージカル講座~ミュージカルを輝かせる音楽と構造~」

劇団劇作家×劇作家女子会 合同勉強会

講師(50音順):青井陽治 氏、宮川彬良 氏

 

 その他、「古典芸能と現代演劇」(講師:ふじたあさや 氏)、「脚色について」(講師:小松幹生 氏)、「ワイルダーの『わが町』について」(講師:水谷八也 氏)、「演劇における存在の二重性―対他的価値としての台詞」(講師:小菅隼人 氏)等、その都度、自分たちが学びたいと思う戯曲や演劇について、勉強会を行っています。

 

ワークショップ

 劇団劇作家では、代表の篠原久美子、坂本鈴、有吉朝子などが、「劇作ワークショップ」を行っています。劇作についての講座というと座学中心が多いと思いますが、このワークショップは、ディスカッションやグループ創作を通じて、戯曲の構造や人物、台詞など、それぞれ分析的に体感していきます。
みんなでわいわい話し合ったり、体を動かしたりしながら、戯曲の基本構造やテクニックに自然に気づける講座です。
現在、中学や高校、一般の方向けに、全国各地で行い、好評を博しています。
 
ワークショップのご依頼はこちらから

 

​プレゼンテーション

 劇団劇作家では、劇団員の書いた戯曲のプレゼンテーションの場として、過去6回、「劇読み!」を行ってきました。
「劇読み!」は、作品の発表の場であると同時に、お客様にも楽しんでいただける「演出されたリーディング・イベント」として好評を博し、毎回、延べ1,000人前後のお客様にご来場いただいてきました。
劇団の制作者、プロデューサーの方たちにもご来場いただき、新しい戯曲や劇作家を探している方々と、書いた作品を上演する場を求めている劇作家たちとを繋ぐ役目も果たしたい、という思いで、これまでに、57本の戯曲を発表してきました。
「戯曲は上演されてこそ完成する」という言葉をモットーに、今後も、戯曲のプレゼンテーションの場を作っていきます。

 

劇読み詳細へ