『劇読み! Vol.4』
2011年11月23日(水/祝)〜11月29日(火)
SPACE雑遊
戯曲アリ☑
劇団劇作家、2年ぶりの本公演「劇読み!vol.4」!
8人の劇作家の戯曲をお届けします。
今回は新しい試みとして公演終了後にアフターカフェを開催するほか、豪華なゲストを招いてのシンポジウムも企画しています。土日祝日公演はフェスティバル形式で、各日3本を連続上演します。
上演作品
ProgramA
『むら』三浦実夫
東北の過疎の村に「ふるさと創生」の名のもと、一大リゾート構想が持ち上がり、国や県、政治家のバックアップによって計画が進み、過疎の村は一気に盛り上がりをみせる。村民、都会へ出た者、都会から来た者たちは、それぞれの立場と視点から「ふるさと創生」へ動き出す。しかし、バブル崩壊とともに村は財政破綻に追い込まれ、村には建設途中の箱モノと人々のやり切れない思いだけが残る。数年後、その村に市町村合併の話が持ち上がり、賛否をめぐって村は分裂する。
演出:関根信一(劇団フライングステージ)
出演:清水泰子、犬塚浩毅、阪上善樹、有吉朝子、藤井びん、袴塚真実、原陽三、西原純、小山貴司、日榮春華、神山寛、トビー上原
ProgramB
『博士の愛した数式』福山啓子
家政婦として働くシングルマザーの<私>は10歳の息子と二人暮らし。言うことをきかなくなった息子とは毎日けんかが絶えない。そんな時に新しく派遣された先は、今までに9人も家政婦を首にしたというイワクつきの数学博士の家。17年前の交通事故の後遺症で記憶が80分しか続かない。同僚で隣人の吉田さんも1週間でやめてしまったという。しかも博士の義理のお姉さんという存在がまたクセモノらしい。思い足取りで博士の家に通う<私>だったが、息子が博士の家に来るようになってから何かが変わってきた…。
原作:小川洋子
演出:村上秀樹(回転OZORA)
出演:神山寛、上森ひろみ、室井茉里奈、宇佐美多恵子、藤あゆみ、トビー上原
ProgramC
『ヒトノカケラ』篠原久美子
日本で初めて、クローン人間を産んだことによる逮捕者が出たと、テレビのニュースが告げている。産んだ女性は重篤な遺伝子病患者。遺伝子を子どもに受け継がせたくなかったという。
同じ遺伝子病患者でありながら犯人に同情的ではない聡子と、なんとか助けたいと行動する妹の真梨子。そこへ、一人の男がやってくる。彼は、日本で初めてのクローン人間を産んだ女性は、聡子だと告げる…。
「誰のクローンを作るか」「作られたクローンはどうなるか」という「体細胞側」でしか語られなかった問題を、着床される「卵子の側」から描いた作品です。
演出:村上秀樹(回転OZORA)
出演:清水泰子、小山貴司、上森ひろみ、西原純、関根信一、服部容子、小笠原游大
ProgramD
『風の贈り物』村尾悦子
岬に建つ小さな美術館を営む画家の未亡人美保と娘の里絵子のもとにある日10枚の絵が届く。画家が嘗て描いた幼い里絵子の肖像だった。見覚えのない絵に美保はショックを受けるが、里絵子には心当たりがあった。誕生日になると父に連れ出されて海辺に行き、絵のモデルになった幼い時の記憶。誰にも打ち明けることのなかったその記憶を幼馴染の大沢にだけ告白する。その大沢の妻は事故に遭い眠り続けていた。娘の麻美は母の回復を願い懸命に介護していた。満月の晩、母を思う麻美の前に現れたのは…。岬を舞台に生と死が交錯する人間模様が繰り広げられる。
演出:関根信一(劇団フライングステージ)
出演:藤あゆみ、上森ひろみ、犬塚浩毅、室井茉里奈、下村界、小笠原游大、原陽三、西原純、阪上善樹
ProgramE
『セキュリティ・オートフィクション』守 夏代
情報セキュリティに取り憑かれて個人情報を一切開示できない職場からの精神的解放を求めて女は作家活動を開始した。「あなたをクリエーターにするプロジェクト」のコーディネーターに鼓舞され、面白い作品を書くために上司の個人情報を探る日々が始まる。なぜ上司は仕事中にリュックを背負っているのか? しかしセキュリティ意識にZipされた上司とのコミュニケーションは容易ではなく、女の作品はなかなか完成しない。
演出・振付:外山晴菜(キリコラージュ)
音楽:濱瀬元彦
出演:小林美江、伊藤麻希、伊藤昌子、明樹由佳
ProgramF
『アップルパイな人々/手のかかる子供/彼女たち』黒川陽子
黒川陽子の短編作品を連続上演します。
『アップルパイな人々』・・・人の口真似をするうち、その人自身になってしまう癖を持つ兄妹。妹が恋人を兄に紹介したのをきっかけに、二人は口喧嘩を開始する。
『手のかかる子供』・・・自殺した男性。彼は天上の世界で自分のことを何でも知る奇妙な相手と出会う。それは男性が知らないうちに心中してしまった癌だった。
『彼女たち』・・・美容師と客。雑談をするうち、自分たちの彼氏が同一人物であることに気付く。彼を独占しようと嘘も交えつつ争う二人は、やがて実態とは違う、架空の彼氏を作り上げる。
演出:村上秀樹(回転OZORA)
出演:荒木秀智、小泉真希、はなたろう、西田夏奈子
ProgramG
『街の灯』楠原セツ
月曜日に引越しをして(させられて)、
火曜日に面接を受けて(よくわからない人と一緒にですが)、
水曜日に働いて(何の仕事かはわかりませんが)、
木曜日に知人に会い(誰かはわかりませんが)、
金曜日に事件を起こし(何かはわかりませんが)、
土曜日に現場検証中のおまわりさんを大量に殺します(何故かはわかりませんが)。
彼の一週間は、まったくあり得ないような、しかし、どこかで見たことがあるような、けれども、やっぱりあり得ない日常でした。
日曜日、週末はピクニックです。
演出・振付:外山晴菜(キリコラージュ)
出演:小山貴司、トビー上原、下村界、荒木秀智、犬塚浩毅、河南有香、服部容子、清水泰子、はなたろう、阪上善樹
ProgramH
『ナマクラ』坂本 鈴
幸せに生きてきたはずなのに、昔の同級生に会った途端に自分の持っているものがすごくつまらないものに見えてきた。思い切り手を伸ばさなくても手に入りそうなものだけ掴んできてしまったような気がして、でも今更手を伸ばしても、もう何も届きそうにはなくて。 「時間は平等にあったはずなのに、人生に大遅刻してる気がする」現実と妄想の狭間で悶々とする、29歳女子の日々。
演出:関根信一(劇団フライングステージ)
出演:河南有香、下村界、大地泰仁、荒木秀智、小泉真希、服部容子、はなたろう
Special
シンポジウム『戯曲賞に残る作品って、なに?』
ゲスト:永井愛、佃典彦、夏井孝裕
進行:篠原久美子
<キャスト>
明樹由佳(㈱メッセージ)
荒木秀智
有吉朝子(劇団劇作家)
伊藤麻希(fundada)
伊藤昌子
犬塚浩毅
上森ひろみ
宇佐美多恵子
大地泰仁(zacco)
小笠原游大
神山寛(俳優座)
河南有香
小泉真希(中野成樹+フランケンズ、俳協)
小林美江(エンパシィ)
小山貴司(世の中と演劇するオフィスプロジェクトM)
阪上善樹(サムライプロモーション)
清水泰子
下村界
関根信一(劇団フライングステージ)
トビー上原
西田夏奈子
西原純(株式会社クオーレ)
袴塚真実(サムライプロモーション)
服部容子
はなたろう
原陽三(秋田雨雀・土方与志記念青年劇場)
日榮春華(オフィス薫)
藤あゆみ
藤井びん(㈲ワンダー・プロダクション)
室井茉里奈
(50音順)
<スタッフ>
総合演出:篠原久美子
演出:
関根信一(劇団フライングステージ)
外山晴菜(キリコラージュ)
村上秀樹(回転OZORA)
音楽:濱瀬元彦
舞台監督:山田たけし(創造集団池小)
照明:瀬戸あずさ
音響:青木タクヘイ(㈱ステージオフィス)
宣伝デザイン:フルヤマモトミ(atelierKINOco inc.)
コラージュ制作:Rui MUTO
企画・製作:劇団劇作家
<協力>
池林房・太田篤哉、CoRich 舞台芸術!