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「動物園物語」

劇団で勉強会を開きました。 その当日、用意されていたのはA4で28ページ分のレジュメ、迫力の枚数です。 講師は矢戸優太郎さん。 取り上げた戯曲はオールビーの『動物園物語』。 講義のタイトルは「主題の探求と劇的表現」。

『動物園物語』を含め、第二次大戦後に「不条理演劇」が誕生したのはなぜか。 この疑問に答えるために、まず1950年代のニューヨークから古代ギリシャへと私たちを連れ戻した矢戸さん。 アリストテレスの『詩学』を引用しつつ、演劇が合理的な世界観に対立することになったいきさつを辿ります。 ルネサンス、科学革命の17世紀、産業革命の18世紀、2つの大戦が起きた20世紀。

お話はぐるりと大きな弧を描いて、円形劇場からセントラルパークのあのベンチに戻りました。 座っているピーターに、回り道をして動物園に行ったと話し始めるジュリー。「回り道」は彼の人生の、更に作品全体の構造に重なる、というお話。講義をギリシャ演劇から始めたのも「回り道」の仕組みをなぞっているわけで、ここに至って講師の周到な仕掛けが明かされたのでした。

矢戸さん、芸が細かい! (こんな表現しか思いつかなくてごめんなさい)

もっとたくさん、いろんなことをお聞きしたのですがここには書ききれず。その後は興奮冷めやらないまま交流会へ。講義に参加した劇団員以外の方ともお話できて充実の集まりでした。

矢戸さん、ほんとうにありがとうございました! 

有吉朝子

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